【2月12日 AFP】オーストラリアのビクトリア(Victoria)州では12日、英国型の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株の感染拡大を防ぐために5日間のロックダウン(都市封鎖)が宣言された。しかしながら、同州メルボルンで開催中の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)については、無観客で続行されることになった。

 ダニエル・アンドリュース(Daniel Andrews)州首相は、大会が行われているメルボルンパーク(Melbourne Park)について、限られたスタッフで職務を継続できる「職場」とみなされると述べた。今年の全豪オープンは、出場選手全員が義務付けられた隔離期間を過ごした後、ウイルス対策により観客の人数が限られていた中で8日に開幕していた。

 メルボルンはこの日、空港の隔離ホテルでウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことにより、約500万人の市民に対して深夜からの外出禁止命令が出された。宣言時点ではすでに大会5日目が始まっており、女子ではセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)や大坂なおみ(Naomi Osaka)、男子ではノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が出場する。

 選手たちは衛生的に安全が保たれている「バブル」で試合に臨むため、メルボルンで5日間のロックダウンが宣言された後も大会の続行が可能となっている。

 オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)のクレイグ・タイリー(Craig Tiley)最高経営責任者(CEO)は、「プレーは続行する。選手たちはバブル環境下で競技に臨む。われわれが聞いている選手たちの声は、とにかく試合に出てプレーしたいというものばかりだ」と明かすと、「会場に入れるのは、選手とそのサポートチーム、および自宅での作業が不可能なスタッフのみである」と説明した。(c)AFP