【2月11日 AFP】ウクライナは、新型コロナウイルスワクチンの調達に苦戦しているにもかかわらず、激しく対立するロシア製ワクチンの使用を禁止した。

 ウクライナは8日、ロシア製ワクチンを禁止する決議案を可決。10日にウェブサイトに掲載された決議案は、「侵略国」で生産されたワクチンの登録を禁止するとしている。ウクライナは2015年にロシアを侵略国と認定している。

 ウクライナの親欧米派政権は、親ロシア派議員らが求めているロシア製ワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」の承認を再三にわたり拒否し、同ワクチンは地政学的なツールだと非難している。

 しかし、ウクライナにはまだどのワクチンも届いておらず、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領に対しては、欧米製のワクチンを調達できていないことへの批判の声が上がっている。

 政府は10日、自国のワクチン購入に関する調査を開始したと発表。まん延する汚職の撲滅に苦慮していることが浮き彫りになった。

 ウクライナでは、2014年のロシアによるクリミア(Crimea)半島併合を受け、東部ドネツク(Donetsk)州とルガンスク(Lugansk)州でロシアの支援を受けた分離独立派との戦闘が続いている。分離独立派が支配する両州では、スプートニクVの接種がすでに始まっている。(c)AFP