【2月11日 People’s Daily】「00後(2000年代生まれの世代)」の大学生阿年さんは、最新のアップル製品を買うことにした。両親に声を掛けたが、プライベートでは、生活費からも支払える。彼女は「節約できるところは節約し、節約したお金も貯金せずに、自分の好きなものを買いに行く」と言う。

 周りの友達にも似たような特徴がある。阿年さんは「好きなものがあったり、きれいになりたかったり、流行を求めたり、周りの人が持っていたりなど、理由はさまざまだが、ほしくなったら、買いに行く」と語った。学生もいれば、職場に入ったばかりの人もいる。手持ちの可処分所得は多くはないが、思い切って買うのが「95後(1995年以降に生まれた世代)」「00後」の大きな特徴だ。インターネットに引き立てられ、彼らの消費行為も万華鏡のような多元的な光景を構成している。

 ブラインドボックス(中国語で「盲盒」。開けるまで何が入っているかわからない箱)、スポーツシューズ、ファッションデザイナーおもちゃ、フィギュア、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)……これらの「お金がかかる」種の消費の主力はまさに若者だ。ベインアンドカンパニー(Bain & Company)の報告によると、2020年の世界高級品市場は23%縮小するが、中国国内のぜいたく品消費は減少するどころか逆に48%上昇し、それを支える柱の一つは新世代消費者の台頭だ。2020年1~10月には、「95後」のぜいたく品提携商品、限定商品の消費額が300%から400%に急増した。また、別のデータによると、高級化粧品・コスメブランドの愛用者の中で、18〜29歳の消費者は57%を超えている。高級自動車業界でも、「90後(1990年代生まれの世代)」は最大の潜在消費者となっている。

 中国の20〜29歳の人口は約1.7億人で、この層は事業の発展、収入の向上の黄金期を迎えている。消費の個性化や、品質化、グレードアップの特徴は顕著となっている。

 蘇寧金融研究院消費金融研究センターの付一夫(Fu Yifu)主任は、2010年以来、中国ではインターネット事業が台頭し、電子商取引がこれまでにない便利さと効率をもたらした。現在、消費の個性化、品質化とアップグレードという特徴もかつてないものだと本紙の記者に語った。彼は「経済社会の持続的な発展と住民の収入の向上は、市民の『自分のための消費』意識を目覚めさせ、消費単位も家庭から個人に転向し、個性化、ブランド化消費が急速に増加している」と言う。

 長江商学院マーケティング学専攻の李洋(Li Yang)准教授は、「95後」「00後」などの若い層は多くの新しい特徴が明確に現れている。彼らはより自信を持って、個性を尊び、興味が多く、社交が好きで、国産ブランドにより馴染んでいるなど、他の年齢層の消費者と著しい違いがあると指摘した。

「彼らの品質消費と個性化消費が産業のグレードアップをリードし、産業と経済の質の高い発展に大きなチャンスをもたらすことを意味するだろう」と付一夫主任は語った。李洋准教授は、今後はより多くの新興国産ブランドの出現が期待され、消費ニーズのけん引の下で、国産品、ブランドの背後にある文化や価値観などが新たなものとなり、「ブランド・ボーナス期をもたらすだろう」と言う。(c)People’s Daily/AFPBB News