【2月11日 AFP】ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の傑作絵画「最後の晩餐(ばんさん)」が収められているイタリア・ミラノ(Milan)の修道院が今月9日、昨年11月から閉じていた門を再び開いた。新型コロナウイルスが流行する以前は鑑賞するのに何週間も前から予約しておかなければならなかったが、今はその必要もなく、地元の人々に喜びと癒やしを与えている。

 世界的に有名なこの壁画に見とれていたミラノ在住のアレッサンドリア・ファブリ(Alessandria Fabbri)さん(37)は、新型コロナウイルスの感染が広がった「ひどい時期」を経た今、この作品を見ていると、「自由になって気持ちが奮い立ち、喜怒哀楽の感情が戻ってきた気がする」と語った。

 ダビンチがサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ(Santa Maria delle Grazie)教会内のドミニコ会修道院の食堂の壁に描いた「最後の晩餐」は多くの観光客を魅了し、ダビンチ没後500年に当たる2019年には44万5000人を超える人々が同修道院を訪れた。

 現在は、最大12人までに制限されたグループで、15分ごとの入れ替え制でこの作品を鑑賞できる。

 ぎりぎりになってチケットを買い、今なら自分たちだけで鑑賞できるのではないかと思って娘とやって来たという女性は、自分が生涯見た中で最も美しい作品だと感想を述べた。「芸術と霊性が融合していて。魔法のようです」 (c)AFP/Brigitte HAGEMANN