【2月11日 AFP】南アフリカが、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)と英オックスフォード大学(University of Oxford)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを交換または売却し、その代わりに、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンの接種を検討していることが分かった。アストラゼネカ製ワクチンが南ア変異株に対して効果が低いとみられる研究結果を受けたもの。ズウェリ・ムキゼ(Zweli Mkhize)保健相が10日、明らかにした。

 アフリカで新型コロナの被害が最も大きい南アフリカは、今週開始予定だったアストラゼネカ製ワクチンの接種を一時中止している。同ワクチンは、南ア変異株による軽症~中等症の症状を防ぐ効果は低いとの臨床試験結果が7日に明らかになったためだ。

 ムキゼ氏は記者会見で、「臨床試験の結果を受け、(政府は)第1期接種計画に関しては、アストラゼネカ製ワクチンではなくジョンソン・エンド・ジョンソンのもので進める」と発表。「ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、南ア変異株に効果的だと証明されている」と述べた。

 ムキゼ氏は、ワクチン接種の開始時期については明らかにしなかった。

 一方で政府高官らは、4月末で使用期限が切れる100万回分以上の確保済みアストラゼネカ製ワクチンの扱いを検討しており、ムキゼ氏は、変異株ではない新型コロナウイルスと闘っている国々に対し、ワクチンを交換または売却するなどの複数の選択肢を示した。(c)AFP/Sofia CHRISTENSEN