【2月10日 AFP】ミャンマー国軍は9日夜、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏率いる国民民主連盟(NLD)の本部を強制捜査した。NLDが明らかにした。AFPは10日、NLD本部の独占取材を許可され、党本部の内部を撮影した。

 関係者によると9日夜、治安部隊が急襲し、強制的に立ち入られたという。NLD代表を臨時で務めているソー・ウィン(Soe Win)氏が、強制捜査を受けた後の内部の状況を見せた。ドアの鍵やインターネットサーバーの機器類が壊されていた。

 NLDはフェイスブック(Facebook)の公式ページで「軍事独裁者が午後9時半ごろ、NLD本部を急襲・破壊した」と発表していた。また、これに先立ち国連(UN)は、ミャンマー軍に民政への回帰を求め、デモ隊への暴力を「容認できない」と非難した。

 ミャンマーでは9日もデモがあり、4日連続となった。国軍が「安定」を脅かす抗議行動に措置を講じると警告し、5人を超える集会の禁止を命じていたが、それでもデモが開かれ、警察は複数の都市でデモ隊に向けて放水。首都ネピドーではゴム弾を発砲し、ミャンマー第2の都市マンダレー(Mandalay)では催涙ガスを使用した。

 少なくとも1人の救急医によると、国軍は実弾も使用。23歳の男性と19歳の計2人が撃たれ、搬送先の病院で重体になっている。この医師は「直ちに死に至る恐れがあるためわれわれは手術をしない。手術をすれば彼らが亡くなると100%確信している。医療処置を行いながら容体を見守っている」と説明した。

 映像は強制捜査を受けた後のNLD本部内部、10日撮影。(c)AFP