【2月10日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のダラス・マーベリックス(Dallas Mavericks)が、試合前に米国歌を流す国内スポーツの慣例を廃止したことが分かった。米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)が9日に報じた。

 それによると、マーベリックスは本拠地アメリカン・エアラインズ・センター(American Airlines Center)での試合前に国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」を流さない方針を打ち出し、マーク・キューバン(Mark Cuban)オーナーも認めているという。オーナーはコメントを発表していない。

 またジ・アスレチックは、マーベリックスがプレシーズンと今季ここまでのホームゲーム13試合でも国歌を流していないと報じている。

 NBAでは、試合前の国歌演奏中、選手は起立しなければならない決まりがあるが、2020年にジョージ・フロイド(George Floyd)さんが命を落とす事件が起こり、全米で人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」が巻き起こって以降、アダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーはルールを緩和していた。

 昨シーズン、新型コロナウイルスの感染拡大によるリーグ中断が明けて以降は、ほぼ全ての選手が国歌演奏中に膝をつき、BLM運動の連帯感を象徴する行動になっていた。

 NBAの広報担当者はジ・アスレチックに対して、2020-21シーズンの特殊な状況を踏まえ、「試合前の行事は、各チームがふさわしいと思う形で進めることが認められている」と話している。

 キューバンオーナーは以前から国歌演奏中の膝つきをはっきり支持しており、昨年には「国歌警察」を非難するようなコメントも残していた。(c)AFP