【2月10日 AFP】モロッコ北部タンジェ(Tangiers)で8日、地下で違法操業していた織物工場が豪雨で浸水し、28人が死亡した。これを受けて同国の労働環境をめぐる議論が再燃し、首相が責任者の「処罰」を約束した。

 地元当局はAFPに対し、住宅街にある織物工場から、28人の遺体を収容したと明らかにした。そのほとんどは女性だった。

 消防救急隊の幹部アブデラヒム・カバジ(Abderrahim Kabajj)氏は、モロッコのテレビ2Mで、犠牲者たちは逃げ道をふさがれて水死したと語った。

 サアド・ディン・オトマニ(Saad Dine Othmani)首相はフェイスブック(Facebook)で哀悼の意を表し、「責任の所在を明らかにし、(責任を負うべき者を)処罰する必要がある。(中略)責任を取らせずに済ますことはできない」と述べた。

 モロッコの雇用主組合によると、同国経済では非公式部門が大きな役割を果たしており、織物・皮革製品の半分以上は違法工場で生産されている。こうした違法工場の多くは、国の安全基準を満たしていない。(c)AFP/Ismail Bellaouali