【2月10日 AFP】火星は太陽から4番目の惑星だ。直径は地球の半分ほど。地球との間の距離は、公転軌道により最も近いと5500万キロ、最も遠いと4億キロと変化する。

 フォボス(Phobos)とダイモス(Deimos)という2つの衛星があり、赤だいだい色の星のように見えることから「赤い惑星」とも呼ばれる。その色から、古代ローマ人は戦いの神にちなんで「マルス」と名付けた。実際、火星の岩石には多くの赤さびが含まれている。

 地球と同じく、火星は地球型惑星だ。季節があり、極地に氷があり、気候がある。火星の1年に当たる公転周期は687日で、1日に当たる自転周期は24時間40分だ。

 火星の表面は火山の噴火、宇宙からの衝突物、風、物質の化学反応によって形成されてきた。作物の生育には向かない寒冷地で、気温は氷点下140度まで下がることもある。

 火星の大気は95%が二酸化炭素で、その他アルゴンやごく少量の酸素、水蒸気から成り、呼吸には適さない。また太陽からの放射を防ぐオゾン層も薄く、人類の生命維持は現状では不可能だ。

 火星は常に人々の想像力を大きくかき立ててきた。古くには火星に人がいるのではと考える人がいたほか、20世紀には火星人が地球を侵略するというフィクションも多く生まれた。

 今日、火星は太陽系の中で最も探査が進んでいる天体の一つであり、現在の最大のミッションはかつての生命の痕跡を見つけ出すことだ。(c)AFP