【2月9日 AFP】太平洋島しょ国などから成る「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の加盟4か国が9日、次期事務局長の選出に起因する対立をめぐり、パラオに続き離脱を表明した。同フォーラムの分裂はますます鮮明になり、米中が勢力拡大を競う同域の外交関係にも影響するとみられている。

 先週PIF離脱の意向を表明したパラオに、マーシャル諸島、キリバス、ナウル、ミクロネシア連邦が続いた。

 PIFには小さな島しょ諸国にオーストラリアとニュージーランドを加えた18の国と地域が加盟。太平洋地域における米国の外交上、重要な要素となっている。

 海面上昇やかつてなく強力な熱帯性低気圧の脅威に直面する同域の島しょ諸国は、その声を合わせて国際社会に届けることにより、気候変動問題で影響力を示してきた。

 今回の分裂は、人口は少ないものの戦略的に重要な太平洋諸国に対し、中国が影響力を強める機会になる可能性がある。そうなれば米豪が警戒するのは必至だ。(c)AFP