【2月9日 People’s Daily】中国・北京市延慶区の小海陀山の山頂から眺めると、国家高山スキーセンターの7つの雪道が曲線を描き、ふもとの国家雪車そりセンターが見えつ隠れつしている。全長1.9キロのコースはまるで巨竜のように静かに横たわっている。

 北京市重大プロジェクト建設指揮部弁公室延慶会場建設処の劉利鋒(Liu Lifeng)処長によると、この5年間、小海陀山は奇跡的に華麗な「変身」を実現した。「以前ここは一面の荒れ果てた山で、道や、電気、水、通信もなかった」と言う。初めて建設任務を受けた時、劉利鋒処長はまだ少し心配だった。測量開始から半年、彼は同僚と自ら体を張って山地を測量していた。毎日8、9時間登山した。道がなかったので、溝に沿ってイバラの道を進みつつ、一枚一枚の計画図を描いた。冬季五輪会場の、自分が何回も歩いていた山道でそそり立つのを見て、劉利鋒処長は「この数年の苦労は無駄ではなかった」と感動しながら語った。

 会場および関連プロジェクトの建設など各面で五輪基準を満たすことは、終始変わらぬ原則だ。延慶競技エリアと張家口競技エリアでは、複数の冬季五輪気象観測所が設置されている。予報の精度は分刻み、誤差は百メートルレベルに向上させてきた。張家口競技エリアでは、5G電波が冬季五輪中心エリアおよび京張高速鉄道などの重要な交通ターミナルの効果的なカバーを実現した。これら関連インフラプロジェクトの竣工(しゅんこう)により、交通、医療、電力、通信などの大会保障ネットワークをさらに強固なものにした。

 新しく完成した国家スキージャンプセンター「雪如意」は、張家口競技エリアで最大規模の、技術の難易度が最も高い会場で、複数の技術的ブレークスルーを実現した。張家口奥体建設開発有限公司の馬龍(Ma Long)副社長は「海外のスキージャンプ台の多くは土石などの詰め物の上にあるが、『雪如意』は別の道を切り開き、全長168メートルのジャンプ台を空中にかけた。横から見ると、87本の柱が支えるジャンプ台は、まるで美しい高架橋のようだ」と紹介した。

 冬季五輪プロジェクトは建設期間が短く、任務が重く、専門性が高い。驚嘆すべき建設成果の裏側では、テクノロジーイノベーションが重要な役割を果たしている。同弁公室の于徳泉(Yu Dequan)副主任は、「大きいものは国家スピードスケート館の8500トンの鋼製構造、小さいものは国家体育館拡張プロジェクトの1枚のガラスカーテンウオールに至るまで、すべてデジタル化を実現し、正確な設計、工場化生産、現場のスピーディーな組み立てを行える」と述べた。「スマート建築」技術により、国家スピードスケート館は設計・施工段階で大胆にイノベーションに取り組んだ。建築技術も建設ペースも、中国の現在の建築業界の最高水準を示した。(c)People’s Daily/AFPBB News