【2月9日 AFP】北朝鮮とイランが昨年、長距離ミサイル開発で協力を再開したことが8日、国連安全保障理事会(UN Security Council)北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた年次報告書で明らかになった。

 同報告書は、北朝鮮が同国の核開発問題をめぐるさまざまな安保理決議に違反し続けていることも確認した。

 同報告書によると、イラン政府は北朝鮮とのそうしたミサイル開発協力を否定しているが、ある国連加盟国によると、両国は「長距離ミサイル開発計画での協力を再開した」。

 再開された協力には「重要な部品の移送が含まれているとされ、この関係に基づく直近の発送は、2020年に行われた」と報告書は述べている。

 核兵器および弾道兵器の開発を中止させるために北朝鮮に科されたさまざまな制裁措置を監視している専門家パネルは、北朝鮮が「国連安保理決議に違反して、核・弾道ミサイル計画を維持・発展させている」と判断している。

 北朝鮮は昨年、新たな弾道ミサイル弾頭の実験と生産、および戦術核兵器の開発を準備していると発表した。報告書は、北朝鮮が「核分裂性物質を生産し、核施設を維持し、弾道ミサイル設備を改良した。これらの計画のための原料や技術を国外から調達しようと画策し続けている」と指摘した。

 専門家パネルは、北朝鮮による船舶の獲得や漁業権の売却、石炭輸出の継続といった制裁違反についても調査した。さらに北朝鮮が時に「巧妙な口実」 を使って、50万バレルの制限量を超える石油を輸入し続けていたことも発見。「ある加盟国から入手した2020年1月1日~9月30日の画像、データ、見積もりによると、これらの密輸は年間50万バレルの上限を数倍上回っていた」と指摘した。(c)AFP/Philippe RATER