【2月12日 AFP】12日に春節(Lunar New Year、旧正月)を迎えた中国では、出稼ぎ労働者が困難な選択に直面している。新型コロナウイルス流行下の制限だらけの長い帰省の旅に出るか、それとも今の場所にとどまって報奨金をもらうかだ。

 労働者の帰省を思いとどませるために、アメとムチの戦術が使われている。アメは携帯電話のデータ使用料やオンライン映画の無償化などで、ムチはウイルス検査と隔離の義務だ。

 国営メディアによると、政府の自宅待機勧告に応じた北京の住民に対しては、総額約4000万元(約6億5000万円)のクーポンが支給される。

 この奨励策は効果を出しているようだ。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、特別輸送態勢が敷かれる40日の帰省ピーク期間初日の1月28日の移動者数は、昨年の26%に減少した。北京市交通委員会によると、旅客機および鉄道の利用者は2割弱に、道路交通量は3分の2に減少した。

 一方、春節休暇前の数日間、中国国内での新規コロナ感染者数がゼロとなったことが、一部の人々の帰省を後押ししている。

 ある家政婦の女性(50)は北京駅の外で、これから息子一家に会いに河北(Hebei)省に向かうところだとAFPに語った。

「(昨年は)コロナ流行のために、休暇を取りませんでした」と女性。「私の雇い主は病院で働いていて、コロナのために休みを取らなかったので、私も帰省しませんでした」

「長い間、子どもたちに会っていないのです」 (c)AFP/Jing Xuan Teng and Beiyi Seow