【2月8日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチの政府は7日、ジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領の殺害を試みたクーデター計画を未然に阻止したと発表した。ロックフェラー・バンサン(Rockefeller Vincent)法相は、最高裁判事と国家警察幹部ら少なくとも23人を逮捕したとしている。

 モイーズ大統領は、首都ポルトープランスの空港の滑走路で夫人とジョセフ・ジュトゥ(Joseph Jouthe)首相を伴って記者会見し、「大統領府の警備責任者に感謝する。クーデター首謀者らの目的は、私の命を奪うことだった」と述べた。

 ジュトゥ首相によれば、首謀者らは大統領府の警備を担当する複数の警官に接触し、モイーズ大統領を逮捕して「暫定大統領」を就任させる計画だったという。

 モイーズ大統領はこの1年間、議会の承認を得ずに大統領権限を行使してきた。自身の任期は来年2月7日まで残っていると主張しているが、野党側はこの憲法解釈を否定し、今月7日で任期切れを迎えるとして抗議している。

 ハイチでは、2015年に行われた前回大統領選でモイーズ氏が当選したものの、不正があったとして選挙結果が無効とされ、翌16年のやり直し選挙で改めてモイーズ氏が当選したという経緯がある。

 近年、ハイチでは政府に腐敗がまん延し、ギャングによる犯罪が野放しになっていることに怒った国民がデモを続けている。モイーズ大統領は4月に改憲の是非を問う国民投票を行うと表明しているが、人権団体や女性の権利団体は、この計画に実務的な支援を提供しているとして国連(UN)を批判している。(c)AFP/Amelie BARON