【2月8日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)を欠場した元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、感染場所は英ロンドンの国立テニスセンター(National Tennis Centre)のはずだと怒りをみせた。

 四大大会(グランドスラム)優勝3回の実績を持ち、全豪でも5回決勝に進出しているマレーだが、クリスマスの時期に検査で陽性になったため、オーストラリアへ渡ることができなかった。症状は「かなりひどかった」そうで、妻や3人の子どもたちにもうつったという。

 下部ツアーでの復帰に向けて滞在しているイタリアで、英メディアの取材に応じたマレーは「全豪出場を逃し、オーストラリアへ行けなかったことは、個人的にすごく腹が立った」と話し、「だけどそれよりもっと重要なのは、テニスの一大会の話にとどまらず、家へウイルスを持ち帰って家族全員に感染させてしまったことだ。すごく気をつけていたのに」と続けた。

 マレーは国立テニスセンターが感染源だと確信しており、パンデミック(世界的な大流行)中、国内有力選手のほとんどが練習に使っている施設の対策の不備を指摘している。

「他の場所でウイルスをもらったとは思えない。10週間、自宅とNTC以外の場所には行かなかったし、当時あそこで何人か陽性になっていた」としたマレーは、「家族からの感染もあり得ない。みんな陰性だった」と続けた。

 全豪オープンに出場しているダニエル・エヴァンス(Daniel Evans)も、出発前にセンターを使うことには不安があったと明かし、「なんらかの原因で、ウイルスがセンターに入り込んでいたのは明らかだ」と話した。

「全体にみんなちょっと気が緩んでいたと思う。あそこで感染したという話も聞かなかったからね。クリスマスと年末年始の時期だったことも少し関係しているかもしれない」

 施設を管理する英国庭球協会(LTA)は、「厳格かつ適切な対策」を講じていたと強調している。(c)AFP