【2月8日 AFP】7日発行のアルジェリア国軍の月刊誌「エルジェイシュ(El Djeich)」今月号に、フランスは1960年代にアルジェリアで行った核実験に対する歴史的な責任を負わなければならないとするアルジェリア軍幹部の発言が掲載された。

 フランスは1960年から1966年にかけてフランス領アルジェリアのサハラ(Sahara)砂漠で17回の核実験を行った。うち11回は、6年に及んだアルジェリア独立戦争の和平協定、エビアン協定(Evian Accords)が1962年に結ばれ、132年間のフランス植民地支配が終わった後に行われた。

 ブジド・ブーフリワ(Bouzid Boufrioua)将軍はエルジェイシュの中で、「アルジェリアで最初の核実験が行われてから60年以上がたった。フランスはいまだ核廃棄物の位置を示す地図の提供を拒んでいる」と指摘し、「(これらの地図の提供は)アルジェリアが強く求めている権利であり、核実験のアルジェリア人被害者への補償問題を風化させない」と語った。

 同将軍は、2017年7月に国連総会(UN General Assembly)で122か国の賛成で採択された核兵器禁止条約について、「国際社会が初めて核保有国に過去の過ちを正すよう求めた」ものだとして、とりわけこの条約に鑑みれば「フランスは歴史的な責任を負わなければならない」と述べた。アルジェリアは同条約に署名したが、フランスは署名を拒否している。

 ブーフリワ将軍は、これらの核実験は、「現地の住民に極めて多数の被害者を出し、残念ながら今なお残る環境破壊を引き起こした」と指摘した。(c)AFP