【2月9日 People’s Daily】「以前は冬になると畑には仕事がなくて、家でぶらぶらしていた。この冬は、家の近くの工場で働いている。お金を稼ぐだけでなく、家の面倒も見られる。本当に良かった」と、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)アクス地区(Aksu)トクス県(Toksu)軽工業地区の生産現場で、フレキシブルコンテナバッグを縫っているマルグリ・アピズさんが言った。マルグリさんは全国貧困扶助開発情報システムに登録したトクス県タシュアイク鎮イアワティ村の貧困世帯。この一か月間、彼女は毎日朝早く子供を学校に送り、工場の作業場で働いている。家の収入は一気に増えた。

 2012年以来、中国政府は新疆の貧困脱却の難関攻略を非常に重視してきた。新疆、特に南疆は産業による貧困扶助、移住による貧困扶助、教育による貧困扶助、インフラ整備、都市部保障性居住プロジェクトと農村部居住プロジェクト、飲用水の安全確保、生態保護は、貧困削減および辺境地域の貧困脱却の面で著しい成果を収めてきている。

 2014年から2019年にかけ、中央財政は新疆ウイグル自治区と新疆生産建設兵団への移転支出を2636.9億元(約4兆2900億円)から4224.8億元(約6兆8800億円)まで引き上げ、平均年成長率は10.4%、6年で合わせて新疆に2万億元(約32兆6000億円)余りを支援し、支援金は南疆に重点的に投入していた。2020年11月14日、新疆ウイグル自治区人民政府は、南疆を含む新疆全体の308.9万人が貧困から脱却し、32の県、3666の村が、それぞれ貧困県・貧困村の指定を解除されるに至ったと発表した。

 新疆は土地が広く、人口が少なく、インフラ整備は貧困からの脱却に極めて重要になる。中央政府は新疆の交通、水利、配電網などのインフラ整備の支援に注力しており、その効果は著しい。2019年末までに、新疆地区の鉄道の運営総距離は6900キロに達し、新疆全土の14地区・州・市の鉄道の相互接続を実現し、すべての地区・州・市は高速道路時代に入った。ヤルカンド空港など3空港が新たに開港し、新疆地区の民間輸送空港数は2014年の16箇所から21箇所に増加した。

 中央からの水利投資は計773億元(約1兆2600億円)に上り、新疆の16プロジェクトは国家172の節水・給水の重要水利プロジェクトに組み入れられている。そのうち全てが、建設が開始されており、稼働数は全国1位となっている。アルタシュ水利センターの建設・使用は、イェルチャン川の水害を解決し、沿岸の240万人の人々に利益をもたらした。

 新疆の配電網の建設・改造を加速し、2014年以来、累計6.4億元(約104億円)の特別建設基金を手配した。科学的・段階的に再生可能エネルギーを発展させ、2019年末、新疆の再生可能エネルギー電力総設備容量は3753万キロワット、発電総設備容量の38.7%を占めるに至った。

 教育事業の急速な発展も支援している。2019年の新疆の一般公共予算教育経費は862.9億元(約1兆4000億円)に達し、2014年より50.37%伸び、各種学校の運営条件は絶え間なく改善され、各年齢層の入学率は着実に向上した。

 都市と農村に及ぶ基本医療保障セーフティーネットの拡大を強化し、医薬衛生体制の改革は段階的成果を収め、郷鎮衛生院と村衛生室の標準化率は100%に達した。国家基本医薬品制度は全住民への適用を実現し、都市と農村住民基本医療保険制度の統合と省を跨(また)いだ非居住地医療の全国ネット決済を実現した。(c)People’s Daily/AFPBB News