【2月8日 AFP】仏NGO「SOSメディテラネ(SOS Mediterranee)」は7日、リビア沖で救助した422人の移民を乗せ、接近中の嵐から避難が必要だと訴えていた救助船「オーシャン・バイキング(Ocean Viking)」がイタリアへの入港を許可されたと発表した。

 SOSメディテラネによると、再三にわたる要請の末、シチリア(Sicilia)島のアウグスタ(Augusta)港で移民らを上陸させることが認められた。同船は7日夜にシチリア島に到着する見込み。乗せている移民には乳児や妊娠中の女性、保護者が同伴していない未成年者もいるという。

 同NGOの救助活動トップ、ルイーザ・アルベラ(Luisa Albera)氏は、地中海中部の天候は悪化しつつあり、「移民らを大至急安全な港に下船させなければならない」と訴えていた。

 アルベラ氏は一部の移民は健康状態が悪く、8人が新型コロナウイルスの検査で陽性になり、船内で隔離されていることも明らかにした。

 リビアは北大西洋条約機構(NATO)が支援した蜂起で2011年に独裁者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が殺害されて以降、混乱の中で欧州に向かう不法移民の出発地となっている。

 ゴムボートや壊れそうな漁船に乗った多数の移民が命を落とす一方、リビアの沿岸警備隊はイタリアと欧州連合(EU)の支援を受けて数千人をリビアに戻している。複数のNGOは、リビアは移民にとって安全な場所ではないとして、この動きを批判している。(c)AFP