【2月8日 AFP】第55回スーパーボウル(Super Bowl LV)が7日、米フロリダ州タンパ(Tampa)のレイモンド・ジェームス・スタジアム(Raymond James Stadium)で行われ、タンパベイ・バッカニアーズ(Tampa Bay Buccaneers)はミスの目立ったカンザスシティ・チーフス(Kansas City Chiefs)を31-9で下し、優勝を果たした。

 スーパーボウルの最年長出場選手となり、これが最多7度目の優勝となった43歳のQBトム・ブレイディ(Tom Brady)は、21年にわたる自身のキャリアにまたしても驚くべき一章を刻み込み、バッカニアーズがチーフスの連覇の夢を打ち砕いた。

 20年を過ごしたニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)に別れを告げて昨年バッカニアーズに加入したブレイディは、ベテランの味を発揮して3本のタッチダウンパスを含むパス29本中21本を通すと、インターセプトを一度も許さなかった。

 自身5度目となるスーパーボウル最優秀選手(MVP)に選出されたブレイディは、「こいつら全員をとても誇らしく思う」とコメントし、「1年を通してあらゆることに対処してきたが、チームは自信にあふれていたし、適切なタイミングで団結した」と続けた。

 さらに、来季も現役を続ける意向であると明かし「また帰ってくる。分かっているとは思うが」と語った。

 一方、ブレイディの王位継承の最右翼候補と目されているQBパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)とチーフスとにとっては、悲劇的な一夜となった。

 情け容赦のないバッカニアーズ守備陣から何度も厳しく対応された25歳のマホームズは、3度のサックと2回のインターセプトを喫したほかタッチダウンパスも通すことができず、チーフス自慢の攻撃に火がつくことはなかった。

 NFLから招待されたワクチンを接種済みの7500人の医療従事者を含む2万5000人という動員が制限された観客の前で、スーパーボウルらしい一戦が実現することはなかった。

 ブレイディのペイトリオッツ時代のチームメートであるロブ・グロンコウスキー(Rob Gronkowski)が2本、アントニオ・ブラウン(Antonio Brown)が1本のタッチダウンを決めたバッカニアーズは前半を21-6で折り返すと、第3クオーターの序盤にはRBレオナルド・フォーネット(Leonard Fournette)がチーム四つ目のタッチダウンを奪った。

 チーフスに快勝したバッカニアーズのブルース・アリアンズ(Bruce Arians)ヘッドコーチ(HC)は、スーパーボウルを制した最年長の指揮官となった。

 チーフスにとっては、度重なる反則で95ヤードの罰退になるなど、悲惨なほど規律のとれていなかった前半のパフォーマンスを悔やむ結果となった。(c)AFP