【2月7日 AFP】インドネシアで6日夜、動物園で飼育されていた絶滅危惧種のスマトラトラ2頭が逃げた。1頭は射殺されたが、もう1頭はまだ見つかっていない。飼育員1人も死んでいるのが見つかった。

 トラが逃げたのは西カリマンタン(West Kalimantan)州シンカワン(Singkawang)のシンカ動物園(Sinka Zoo)。2頭はいずれも生後約18か月の雌で、数日間続いた豪雨による地滑りでできた隙間から逃げ出した。

 47歳の飼育員が死んでいるのが見つかった。遺体にはかき傷やかまれた痕があった。逃げたトラが飼育されていたおりの近くでヒクイドリやダチョウ、サルの死骸も見つかった。

 当局は動物園の周囲にあるジャングルで逃げたもう1頭のトラを捜している。餌の時間に動物園に戻ってくることを期待して、餌を入れたケージも仕掛けられた。近くの観光地は閉鎖が命じられ、近隣住民には家から出ないよう呼び掛けられた。

 スマトラトラは野生の生息数が400頭に満たないと考えられており、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅危惧種に指定している。(c)AFP