【2月6日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka、23)は6日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)会長(83)の発言について、「無知な発言だった」と述べた。

 森会長は3日、日本オリンピック委員会(JOC)の会合で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言。性差別的だとの批判や、辞任を求める声が上がっている。

 大坂は全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の開催地であるメルボルンでの記者会見で、森会長の発言に関する質問に「まったく無知な発言だったと思う」と述べ、「このような発言をする人は、話す内容についてもっと知識を持つ必要がある」と話した。

 世界で最も稼ぐ女子スポーツ選手の大坂は昨年、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)の大会中、人種差別と警察による暴力の被害者の名が書かれたマスクを着用し、社会問題に対して影響力を持つ存在となった。

 大坂はさらに「発言に至った理由も聞きたい」と述べ、「(森会長の)周囲の人々の見解も聞きたい」とも語った。

 森会長の辞任を求めるオンライン活動には10万8000人以上が署名し、米グラミー賞(Grammy Awards)受賞歴のあるミュージシャンの坂本龍一(Ryuichi Sakamoto)さんも名を連ねている。

 6日付の毎日新聞(Mainichi Shimbun)によると、批判を受けて森会長は辞任を検討したものの、強い説得により思いとどまった。

 大坂はまた、なぜ自分の発言が多くの人を傷つけたかについて、森会長に理解させてあげるべきだと語った。

 一方で、森会長の辞任については「辞任を求めるべき状況なのか、ただ発言が正しくなかったと分からせるべきなのか、私には分からない」と述べた。(c)AFP/Tristan LAVALETTE