【2月6日 AFP】ロシア政府は5日、同国で収監されている野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)を支持するデモに参加したとして、欧州3か国の外交官に国外退去を命じた。

 ロシアはポーランド、ドイツ、スウェーデンの外交官が先月23日、ナワリヌイ氏支持派による「違法デモ」に参加したとして、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定したと発表した。

 ロシア外務省は、複数の外交官が「近くロシアを離れるよう命じられた」としたが、対象となった外交官の人数は明示しなかった。またデモの参加状況の詳細は明らかにせず、外国の外交官には「国際法の規範に厳しく従う」ことを求めるとした。

 首都モスクワでは現在、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)がEU高官として異例の訪問を行っている。ロシアが欧州の外交官追放を発表したのは、ボレル氏がEU・ロシア関係の協議のためロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergey Lavrov)外相と会談したわずか数時間後のことだった。

 欧米諸国は、先月中旬のナワリヌイ氏の拘束や、同氏支持者らによる大規模デモに対する締め付けのほか、同氏に3年近くの実刑を適用するとした今月2日の裁判所の決定を厳しく批判してきた。

 一方のロシアは、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)であるナワリヌイ氏に対する欧米諸国の支持は内政干渉だと反発している。

 EUのボレル外相は声明で、外交官追放についてはラブロフ外相との会談で通達されたと説明。「この決定を強く非難し、対象者らが他国の外交官としての立場にふさわしくない行為をしたとの主張を拒絶した」と述べた。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も、ロシアの措置は「正当化できない」と言明。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、ロシアの決定を「非難」すると表明した。(c)AFP/Jonathan BROWN and Thibaut MARCHAND