【2月6日 Xinhua News】中国上海市は3日、市内の歴史的建造物に専用の2次元バーコードを設置し、関連情報を提供する「読める建築」プロジェクトの2021年十大行動計画を発表した。同市の「読める建築」は今年、デジタルバージョン3・0にアップグレード。デジタル体験やサービス体系化の実現に取り組むことで、訪れたより多くの市民や観光客が、歴史文化や都市精神を理解、保護、活性化、継承できるようにする。

 上海市文化・観光局の方世忠(Fang Shizhong)局長によると、同市は行動計画に基づき、サービス体系化に関する5項目を推進している。内容は①「読める建築」連盟の設立②一連のサービス品質基準の導入③文化クリエーティブ製品マーケットを継続的に開催し、創造的な体験や無形文化遺産グルメ、芸術展示など多元的な芸術形式のプラットフォームを構築④文化遺産や建築、観光などの専門家や解説員、ボランティアで構成される人材チームの組織⑤歴史的建造物にはがきやドキュメンタリー作品、解説、研究チームなどを「1セット」として試験的に設置──となっている。上海市と各区レベルの文化・観光部門や上海人民出版社、旅行会社の春秋旅遊、音声コンテンツ配信大手「蜻蜓FM(QingTing FM)」、ネット出前・生活関連サービス大手の美団点評などは、それぞれの強みを発揮し、出版物や音声マップの販売、マイクロツーリズム、土産物のクリエーティブデザインコンテストの実施などに取り組んでおり、これらのサービスやイベントを通じ、歴史的建造物に命を吹き込んでいる。

 上海市では2018年から「読める建築」を系統的に推進。これまでに市内の歴史的建造物2437カ所に専用2次元バーコードを設置した。市民や観光客はスマートフォンで読み込むことで、関連テキストや画像、音声、動画、仮想現実(VR)パノラマガイドなどが利用できる。同市ではまた、歴史的建造物1037カ所が一般公開されている。(c)Xinhua News/AFPBB News