【2月7日 CNS】1月に開催された上海市の人民代表大会(地方議会に相当)と中国人民政治協商会議(政策提言機関)で、上海市政府の政策方針を示す「政府活動報告」に、今後の経済モデルとなる「五型経済」が初めて盛り込まれた。

 五型経済とは、技術革新を促進する「イノベーション型経済」、消費者のニーズに応える「サービス型経済」、企業が統括拠点を置く「本部型経済」、国内外の市場と結合した「開放型経済」、人材や資金、技術を取り込む「流動型経済」をそれぞれ推進する戦略だ。今年から5年間の第14次5か年計画期間中、上海市は従来の常識や固定観念を打ち破り、第2次と第3次産業という枠組みをも超え、「五型経済」集約区を創造しようとしている。

 1月24日の人民代表大会で、龔正(Gong Zheng)上海市長は五型経済についてこう強調した。「イノベーション型経済の発展の鍵は人材であり、国際的な水準とビジョンを備えた技術者、リーダー、チームの育成を加速することが必要となる。サービス型経済の発展の鍵は自主ブランドの確立であり、高品質化と多様化をさらに高めていく。本部型経済の発展の鍵は、大手企業が上海で本部機能を強化する計画を促進することだ。開放型経済の発展の鍵は、インターネットやスマート技術などのインフラを構築して経済のハブ(中核)拠点となることである。流動型経済の発展の鍵は、伝統的な実体経済と最新のオンライン経済を結合するプラットフォーム作りを推し進めることだ」

 世界の先端都市を見ると、サービス型経済が経済構造の基軸となり、高度なイノベーションや本部機能の集中、資金や人材の集約化、国際市場との一体化を推進することで競争力を高めている。上海が協調と競争を繰り広げる国際舞台に今後も参入していくため、こうした方向性が求められている。(c)CNS/JCM/AFPBB News