【2月5日 AFP】クーデターで国軍が実権を掌握したミャンマーで、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の右腕とされる側近、ウィン・テイン(Win Htein)氏(79)が5日未明、身柄を拘束されたことが分かった。

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 スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の広報を担当するチー・トー(Kyi Toe)氏が、フェイスブック(Facebook)の認証済みの自身のページで明らかにした。ウィン・テイン氏は4日午後に首都ネピドーから最大都市ヤンゴンへ向かい、「娘の家に滞在していたところ深夜に逮捕され」、ネピドーの警察署に連行されたという。

 ウィン・テイン氏はかつて軍政に抵抗して何度も逮捕され、政治犯として長く刑務所に収容された経歴を持つ。スー・チー氏の考えを知る側近中の側近として、国内外のメディアが追ってきた人物だ。

 逮捕前に同氏は、クーデターは「賢明ではない」と英字誌フロンティア・ミャンマー(Frontier Myanmar)に語り、国軍指導部が「(国を)間違った方向に導いている」と批判。「全国民は、政府を破壊して私たちをゼロに戻そうとする行動に対し、できるだけ反対しなければならない」と述べていた。

 1日に起きたクーデターではスー・チー氏やウィン・ミン(Win Myint)大統領が逮捕され、人権監視団体「ビルマ政治囚支援協会(AAPP)」によると、政府関係者や議員ら130人以上が拘束された。スー・チー氏は1日以降、公の場に姿を見せていない。(c)AFP