【2月5日 AFP】ブラジルの鉄鉱石世界最大手バーレ(Vale)は4日、2019年に同国南東部ミナスジェライス(Minas Gerais)州で起きたダム決壊事故をめぐり、70億ドル(約7400億円)の損害賠償の支払いで合意したと明らかにした。この事故で有毒な汚泥が流出し、270人が死亡した。

 ミナスジェライス州ブルマジニョ(Brumadinho)近郊の鉱滓(こうさい)ダムの決壊で、鉱山廃棄物数百万トンが流出し民家や農地に押し寄せた。同州政府によると、今回合意した損害賠償額は中南米で史上最高となる。バーレは、被災者への補償とブルマジニョ周辺の環境修復を目的としたプロジェクトの資金を援助し、「社会経済」「社会環境」の両面から賠償する意向を表明した。

 しかし報道によると、損害賠償額が低すぎるとして被災者らは同州の州都ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)の裁判所前で抗議デモを行った。合意阻止のため、連邦最高裁に持ち込むとする人もいた。(c)AFP/Jordi MIRO