【2月14日 AFP】「エルサレムを望むテラス」「防寒はしっかりと。温かい飲み物をご用意しています。プロポーズにも最適なスポットです!」──。独身のユダヤ教超正統派向けのデートスポットを紹介するアプリに、このような文言が並んだ。掲載されたのは個人宅のテラスだ。新型コロナウイルス流行前だったら「奇妙」と思われたに違いない。

 コロナ禍で、超正統派の人々がこれまで利用してきたカフェなどのデートスポットが閉鎖されている中、婚活中の敬虔(けいけん)な若者らは、個人宅のテラスといった代替手段も視野に入れる必要に迫られているのだ。

 超正統派の決まりでは、未婚の男女が二人きりで同じ部屋にいることを禁じている。また、付き添いがいたとしても、身体的接触はNGだ。

 パートナー候補とは仲介人を通じて会うケースが多い。同意の上でプライベートな会話ができる場所を選ぶことができるが、これには周囲から二人の姿が目視できるという条件が課される。

 イスラエルではこれまで、新型コロナウイルスで5000人以上が命を落としている。当局によるロックダウン(都市封鎖)は3回目で、全人口を対象としたワクチン接種が精力的に進められている。

 ロックダウン下では原則、自宅から1キロ内の移動しか認められていない。だが、医療機関の受診や食料品の買い物などは例外だ。婚活中の人にとっては、デートもこれに含まれる。

 屋内施設が利用できなくなった今、屋外のデートスポット人気が高まっているのは当然なのだろう。(c)AFP/Delphine Matthieussent