【2月4日 AFP】新型コロナウイルスの起源調査のため中国・武漢(Wuhan)入りしている世界保健機関(WHO)の調査団は3日、発生源と臆測されたこともある武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)を訪問した。

 世界で最も危険なウイルス性疾患の研究を行う同施設の視察は、今回最も大きな注目を集める調査対象の一つ。

 中国は国際的な公衆衛生上の危機が発生した最初の1年間、WHO主導の調査を遅らせてきた。調査団には、新型ウイルスが動物から人に感染した経緯を探る権限が与えられているが、既にこれほどの時間が経過した今、どんな発見が期待できるのかという疑問は残る。

 3日朝に同研究所に到着した調査団は、4時間近く滞在。ピーター・ダザック(Peter Daszak)調査員は「きょうは職員らとの極めて重要な面会」となり、「率直でオープンな議論」が持てたとツイッター(Twitter)に投稿した。

 またダザック氏は、コウモリのコロナウイルスの著名な専門家である、同研究所の石正麗(Shi Zhengli)副所長にも会ったと明かした。

 新型コロナウイルスはコウモリに由来し、別の哺乳類を介して人に感染したという見方が科学界では優勢だが、これまでのところ決定的な答えは得られていない。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)によると、調査団はアジアで初めて設置された病原体レベル4(P4)研究室にも入ったという。P4研究室は、エボラウイルスなどの病原体を扱う設備が整っており、厳重に警備されている。

 流行初期には、新型コロナウイルスは同研究室から誤って流出したのではないかとの臆測も広がったが、この説を裏付ける証拠は見つかっていない。

 映像序盤は研究所に到着したWHOの調査団。中盤は研究所外観。終盤は研究所を出る調査団。3日撮影。(c)AFP/Hector RETAMAL