【2月4日 AFP】昨シーズン限りでフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のシートを失ったフランス人ドライバーのロマン・グロージャン(Romain Grosjean)は3日、デイル・コイン・レーシング(Dale Coyne Racing)で今季のインディカーシリーズに参戦すると発表した。

 しかしながら、昨季のF1でマシンが炎上する大事故に遭いながらも、九死に一生を得たグロージャンは、家族のことを考え、伝統のインディアナポリス500(Indianapolis 500)には出場しないという。

 昨年11月に行われた20F1第15戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)決勝の1周目で、ハース(Haas F1 Team)に所属していたグロージャンは時速220キロのスピードでセーフティーバリアーに衝突。マシンは炎上したが、なんとか生還を果たした。

 34歳のグロージャンは、「ここ数年で私が最も恋しかったものは、勝利を目指してレースを戦えるようになること」と述べ、「だから、自分が戦うことができ、毎週レースでの勝利を目指せる大会を見つけられたのはもちろん素晴らしい」と続けた。

 しかし、家族に心配をかけないためにもインディアナポリス500には出場しないとし、「言葉では言い表せないものをバーレーンで経験した家族や子どもがテレビで見ていると考えると、やる気にはならない」と明かした。「家族をまた同じ状況に陥らせたくない」

 ルノー(Renault)やロータス(Lotus F1 Team)、ハースでF1通算179GPに出場したグロージャンは、10年にわたるキャリアで1勝もできなかったが、表彰台を10度獲得した。インディーカーシリーズでの初戦は、4月18日に行われる開幕戦アラバマGP(Honda Indy Grand Prix of Alabama 2021)になるとみられる。(c)AFP