【2月4日 AFP】英政府は3日、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)と英オックスフォード大学(University of Oxford)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンに関する新たな研究で、同ワクチンの1回接種でウイルス感染の大幅減少と感染予防の高い効果が示されたと発表し、政府のワクチン接種計画を擁護した。同ワクチンをめぐっては、欧州連合(EU)の加盟国政府から有効性を批判する声が上がっていた。

 マット・ハンコック(Matt Hancock)英保健・社会福祉相は、査読審査が今後行われるこの研究について、アストラゼネカ製ワクチンの大規模接種の正当性を裏付けるものだと表明した。英国では1000万人余りがすでにコロナウイルスワクチンの接種を受けた。

 ハンコック氏はBBCラジオで、研究結果は「オックスフォード(のワクチン)に効果があり、効果が高いことをはっきりと世界に示すもの」だと指摘。ワクチンは「感染を3分の2程度抑えるため、われわれの戦略を全面的に支持している」と強調した。

 欧州医薬品庁(EMA)は先月29日、オックスフォード・アストラゼネカのワクチンの全成人への使用を承認したが、ドイツ、イタリアなどの加盟国は65歳以上の人への接種を奨励しないと勧告。同ワクチンについて、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が65歳以上の人に効果がないと発言したことを受け、アストラゼネカの研究開発部門の幹部は、疑念が生じているのは効果がないという証拠でなく高齢者層のデータ不足のためだとマクロン氏の主張に反論した。

 オックスフォード大が行った研究では、同ワクチンの1回接種により、PCR検査で陽性反応となる確率が67%減少することが示され、「感染が大幅に減少する可能性が示唆」された。(c)AFP/Anna MALPAS, James PHEBY