【2月3日 AFP】キプロス首都ニコシアの旧市街で進む大聖堂の建設計画に伴い、隣接する指定建造物が取り壊され、キプロス正教会(Church of Cyprus)に怒りの声が上がっている──。

 内務省は2日、前日の「指定建造物の恣意(しい)的で違法な取り壊しについて、大いに困惑し、憂慮している」と述べ、また壊された建造物4棟は教会が所有する土地に立っていたが、取り壊しは文化遺産保護に関する法律に違反するとした。

 キプロス正教会は、政治的影響力が大きい。しかし、今回の取り壊しをめぐっては、クリゾストモス2世大主教(Chrysostomos II)に対し、人々は激しく抗議している。

 ニコシアのコンスタンディノス・ユロカジス(Constantinos Yiorkadjis)市長は2日、キプロス放送(CyBC)のラジオを通じ、取り壊しは違法であり市の許可なく行われたと述べた。

 記録によると、取り壊されたのは1927年に建てられた建造物だった。旧市街にはその他にも、ベネチア共和国時代を象徴する壁や、数世紀も前の建物が並ぶ。内務省は、国の文化的遺産を「次世代に」残す目的で7000棟の建物を指定建造物に定めている。

 AFPは大主教本部にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

 ニコシアのある市議会議員は、大主教が2日の会議で建造物の修復を約束したとしている。(c)AFP