【2月3日 Xinhua News】中国香港特別行政区政府統計処はこのほど、2020年の実質域内総生産(GDP)が前年比6・1%減少したと明らかにした。陳茂波(ポール・チャン)財政司長は、統計開始以来の落ち込み幅で、2期連続のマイナス成長も初めてだと述べた。

 GDP各構成要素の中では、個人消費支出が20年第4四半期(10~12月)で前年同期比7・6%減、20年通年で前年比10・2%減となった。

 特区政府報道官は最大の落ち込みとなった要因について、新型コロナウイルスによる影響を挙げた。

 経済が冷え込む中、最も影響を受けたのは観光業だった。コロナの感染拡大により飲食や宿泊、小売などの業界は甚大な打撃を受け、それ以外の多くの業界も少なからぬ影響を受けた。20年第4四半期の失業率は6・6%と16年ぶりの記録更新となり、失業者数は24万5800人に上った。人口700万人余りの香港にとって大きな圧力となっている。

 香港では、社会の発展維持のため政府が多額の財政出動を行っており、香港の金融市場も活発さを保っている。本土経済が上向き傾向なことも香港の貿易にとって好材料となっている。統計処の最新統計によると、20年12月の輸出額は前年同月比11・7%増、輸入額は14・1%増だった。

 同報道官は、本土向け輸出が明らかに加速しており、本土経済の見通しが持続的に高まっていることも香港の輸出の支えになっていると指摘。21年通年ではプラス成長になる見通しだが、上半期(1~6月)の状況は依然厳しいとの認識を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News