【2月3日 AFP】イーロン・マスク(Elon Musk)氏は今や、ソーシャルメディアで一言二言つぶやくだけで、市場を動かせるウォール街(Wall Street)の巨人となりつつある。

 米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)と宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の最高経営責任者(CEO)であるマスク氏のツイッター(Twitter)への投稿が、暗号資産(仮想通貨)のビットコイン(Bitcoin)や米ゲームソフト小売り大手ゲームストップ(GameStop)の株価を動かした。

 そのマスク氏は1月31日、招待制の音声チャットSNS「クラブハウス(Clubhouse)」に進出。

 火星植民地化の野望や暗号通貨、人工知能(AI)などについてひとしきり語ると、ゲームストップの株騒動で注目を集める米新興ネット証券ロビンフッド(Robinhood)のブラッド・テネブ(Vlad Tenev)CEOに14分間のインタビューを行った。

 ゲームストップをめぐっては先週、ソーシャルニュースサイト「レディット(Reddit)」などで連絡を取り合った米個人投資家が、値下がりを見込んでいたヘッジファンドの空売りに対抗し同社株を購入、株価が急騰する出来事が起こった。これを受け、ロビンフッドはゲームストップ株の取引を制限した。

 マスク氏はテネブ氏に「教えろよ」と話し掛け、「先週何が起こったんだ? なぜゲームストップ株を買えないんだ? みんな答えを求めてる。詳細と真実を知りたがってる」と続けた。

■一言の力

 テスラ株の上昇により先月、世界一の富豪の座に就いたマスク氏には、ツイッターで4500万人近いフォロワーがいる。ファンからは先見の明(めい)があるとみなされており、その発言は一部投資家を動かす力を持っている。

 マスク氏が1月29日、ツイッターのプロフィル欄を「#bitcoin」という一言に変更しただけで、ビットコインの株価は一時約20%上昇した。