【2月2日 AFP】2019年にフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)で発生した高速クラッシュで重傷を負った米国人ドライバーのファン・マヌエル・コレア(Juan Manuel Correa)が1日、フォーミュラ3(F3、FIA F3選手権)で今季から復帰することを明らかにした。

 約1年半前にベルギーのスパ・フランコルシャン(Spa-Francorchamps)で起きた事故で、21歳のコレアは重度の脚の骨折で17時間の手術を受けた後、2週間以上にわたり人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれていた。この事故ではフランス人のアントワーヌ・ユベール(Anthoine Hubert)選手が命を落とした。

 フランスに拠点を置くARTGP(ART Grand Prix)のドライバーとして、5月にスペイン・バルセロナ(Barcelona)で行われるF3開幕戦で復帰予定のコレアは、「まず何より、これまでのことを乗り越えて復帰できることをすごくうれしく思う」と喜び、「ARTGPには本当に感謝している。チームが自分の可能性や復帰を信じてくれているのはとても大きな意味がある」と語った。

 アクシデントに遭遇する以前はフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のアルファロメオ(Alfa Romeo Racing)で開発ドライバーを務めたエクアドル出身のコレアは、モータースポーツ界最高峰でのレース参戦を目指しており、「F3でのシーズンは通過点だ。自分の夢は今でもF1に到達することで、これはカムバックの最初の一歩だ」と話している。

 右脚切断のリスクに直面して数か月間の車いす生活を送り、現在は短い距離なら松葉づえなしでも歩けるようになっているコレアについて、ARTGPのセバスチャン・フィリップ(Sebastien Philippe)チーム代表は、「ファン・マヌエルは勇敢さと粘り強さの模範だ。ARTGPはレースに復帰する機会を彼に与えられることを誇りに思う」とコメントした。

 さらに、「ファン・マヌエルは精神的にとてつもなく強い。今も体を最大限の状態にするために闘っているし、ハングリーだ」とたたえ、「ファン・マヌエルに付き添い、彼がキャリアを再開してもう一度階段を上る助けになることを熱望している」と語った。(c)AFP