【1月31日 AFP】トイレブラシに青色の下着、雪玉攻撃に雪だるま──。ロシアで行われている野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)の釈放を求める抗議デモでは、参加者らが創造力を発揮している。

 最近の反政権デモから生まれたユニークな象徴やミーム(笑いを誘うネット画像や動画)と、その意味をまとめた。

■青い下着

 昨年12月以降、デモ参加者らは青いボクサーパンツを道路標識にかけたり、青いパンツ一丁の姿で撮影した写真を投稿したり、抗議集会で青パンツを掲げたりしてきた。

 ナワリヌイ氏によると、昨年8月に神経剤ノビチョクを使った毒殺未遂の被害に遭った際、連邦保安局(FSB)のスパイが同氏の青い下着の裏地に毒を仕込んでいたという。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は今月、ロシア正教の伝統行事「神現祭(Epiphany、主の洗礼祭)」で冷水に入った際、青い水泳パンツを身に着けていた。これについてナワリヌイ氏の支持者らは、プーチン氏が自身の最大の敵の下着をはいていると笑いの種にしていた。

■トイレブラシ

 毒殺未遂事件後、ドイツで5か月間の療養生活を送ったナワリヌイ氏は、今月ロシアに帰国するや否や身柄を拘束された。

 汚職撲滅を掲げるナワリヌイ氏は、プーチン氏が黒海(Black Sea)沿岸に所有しているとする豪邸を調査した動画を公開し、大規模な抗議集会を実施するよう呼び掛けた。

 ナワリヌイ氏によると、豪邸には13億5000万ドル(約1400億円)超が費やされ、スケート場からカジノ施設まであらゆるものが併設されているという。

 特に話題になったのは、700ユーロ(約8万9000円)もするという高級トイレブラシで、先週末の抗議デモでは複数の参加者がはるかに安そうなトイレブラシを持参していた。

■雪を抗議手段に

 首都モスクワで行われたデモの参加者らは、機動隊や、FSBのものとされる車両にさえも、雪玉を投げつけた。

 また、雪に覆われた壁には「ナワリヌイを解放せよ」などのメッセージが書かれ、警察官が急いで消す様子が撮影されている。

「自由、真実、ロシア」や「皇帝を打倒せよ」といった政治的なスローガンを掲げた雪だるまを作ったとして、全国で4人が身柄を拘束された。(c)AFP