【1月31日 AFP】フランスで30日、反資本主義団体や環境保護団体の呼びかけで、米インターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の大規模物流施設の建設計画に抗議するデモが国内数か所で行われた。

 アマゾンは、世界遺産に指定されているローマ帝国時代の水道橋遺跡「ポン・デュ・ガール(Pont du Gard)」に近いフルネ(Fournes)で、面積3万8000平方メートルの施設の建設を計画している。警察はここで行われた抗議行動に約800人が参加したと述べたが、デモ主催者は参加者数を1400人としている。参加者らは建設予定地を人間の鎖で囲み、色とりどりの風船を倉庫の高さの18メートルに上げて倉庫の大きさを訴えた。

 抗議デモはこのほか、西部ナント(Nantes)近郊カルクフ(Carquefou)や東部エンシセーム(Ensisheim)、東部モゼール(Moselle)県オニー(Augny)、南部ペルピニャン(Perpignan)でも行われた。

 ペルピニャンのデモに参加した環境団体アルタラティバ(Alteratiba)のエリック・バルビエ(Eric Barbier)氏は、フランスでの納税に関してアマゾンに「不公正な慣行」があると主張。加えて「大半の従業員の雇用契約は不安定で、ブラックフライデーやクリスマスなどのピークシーズンに雇われ、その後捨てられる」と指摘した。

 アマゾンの仏法人は声明を発表し、「自ら掲げる大義を知らしめたい一部組織の標的になった」との認識を示した。また、1万1000人を超える仏起業家がアマゾンに頼って事業を構築し、雇用を創出している上、アマゾン自体も競争力のある賃金で9300人を雇用し、素晴らしい就業機会を提供していると付け加えた。(c)AFP/Isabelle LIGNER