【1月30日 AFP】南太平洋の島国バヌアツの警察は30日までに、同国海域内で違法操業をしていた疑いで中国漁船2隻とロシア船1隻を拿捕(だほ)したと発表した。バヌアツ当局による中国漁船の拿捕は初とみられる。

 警察によると、中国漁船2隻は今月19日、バヌアツ北方のヒウ(Hiu)島付近で巡視船に捕らえられた。中国籍の乗組員14人は拘束後に隔離され、今後、違法操業について取り調べを受ける予定。

 警察はさらに、中国漁船と首都ポートビラへ向かう途中にルーガンビル(Luganville)付近でロシア船1隻を発見し、確保した。

 太平洋地域では先月パラオも中国漁船を拿捕しており、中国船による違法操業に警戒の目が向けられている。

 台湾を承認しているパラオが中国と緊張関係にある一方、バヌアツは中国政府と同盟関係にあり、中国から多額の援助を受けている。

 英ロンドンを拠点とする海外開発研究所(ODI)が昨年発表した報告書によると、中国籍の遠洋漁船は推定で少なくとも1万7000隻あり、世界最多だ。

 ODIは中国の漁業について、世界における違法操業の「最も重大な当事者」と批判し、船団の統制が取れておらず、慣行にも従わないと指摘している。

 中国外務省は昨年12月、「中国は責任ある漁業国として、環境に適した持続可能な開発の道を歩んでいる」と反論し、ODIの主張を否定している。(c)AFP