【1月29日 AFP】(更新)欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は29日、製薬大手の英アストラゼネカ(AstraZeneca)と結んだ新型コロナウイルスのワクチン供給に関する契約書を、機密情報保護のため一部黒塗りにして公表した。欧州委は同社の契約違反を主張しており、これを証明するための動き。

 同委のエリック・マメール(Eric Mamer)報道官は、この契約書を見れば、英国工場も対象となっており、「同工場もEUへのワクチン供給に(中略)尽力する」べきであることが分かると述べた。

 アストラゼネカのパスカル・ソリオ(Pascal Soriot)最高経営責任者(CEO)は今週行われたインタビューで、欧州内におけるワクチン供給の遅れは、ベルギー工場における問題が原因だと説明していた。

 一方英国は、EUよりも3か月早くアストラゼネカと契約を結んでおり、同社はこの3か月のうちに製造時の問題を解消して、英国内での供給を開始していた。

 欧州委はこれに強く反発。契約には、英国内での製造分は英国内での供給のみに充てられるとの規定はなく、契約順守の責任は同社にあると訴えていた。(c)AFP