【1月29日 AFP】セルビアの首都ベオグラードに登場した中世王子の巨大像が論争を巻き起こしている──歴史的な人物をたたえるものか、それとも街並みを乱す「巨大なキッチュ」なのか──と。

 論争となっているのは、セルビア王国を建国した人物として知られる12世紀のステファン・ネマニャ(Stefan Nemanja)王子をモデルにつくられた銅像だ。明るい光で照らされた銅像の高さは23メートルを超える。除幕式が27日に行われた。

 王子の巨大像について、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は、今まで見たこともない「最も美しいものだ」と称賛。数百人が参列した除幕式で「このモニュメントは大きい。なぜならわが(国の)歴史が大きいからだ。そして重い。わが(国の)歴史がしばしばそうであったからだ」と語った。

 だが、これとは反対の意見も多い。歴史家や芸術家、建築家らは、銅像があまりにもけばけばしいため、本来それが表すべき歴史が「矮小(わいしょう)化」されていると批判的だ。

 また、ソーシャルメディアでは、映画「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord Of The Rings)」シリーズの登場人物「サルマン(Saruman)」が「チョコエッグの上に立っている」ようだと皮肉る書き込みも見られた。

 映像は王子の巨大像の除幕式、27日撮影。(c)AFP