【1月29日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は29日、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)を控えたエキシビションマッチに登場したものの、利き手に大きなまめができた影響で予定されていた2セットのうち1セットのみのプレーにとどまった。

 この日オーストラリア・アデレード(Adelaide)で2週間の隔離期間を終えたジョコビッチは、その数時間後にヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)とのシーズン初戦を予定していたが、第1セットは姿を見せず、代わりに同胞のフィリップ・クライノビッチ(Filip Krajinovic)が出場した。

 それでも、第2セットからは登場し、ほぼ満員のメモリアル・ドライブ・パーク(Memorial Drive Park)の観客から大歓声を浴びた。

 6-3でセットを制したジョコビッチは、「最初からコートに立てなくて申し訳ない。理学療法士の治療を受けなければならなかったし、この数日間は最高の調子ではなかった」と明かすと、「体がどう反応するのか分からなかったけれど、プレーしたかったし、ここに出てきたかった」と語った。

 さらに、「これほどの大観衆の前でプレーするのは12か月ぶりだから、とても特別なことだ」と話し、詰めかけたファンに感謝した。

 テレビの映像では、ラケットを握る右の手のひらにできたばかりのまめが確認された。ショットを打つ妨げにはならない様子だったが、痛みはあったといい、「簡単なことではないけれど、この仕事にはつきものだ。僕らはプロのアスリートであり、痛みを抱えながらプレーする方法は時と共に学ぶ。問題はその痛みに耐えられるかどうかだ」と語った。

 また、激しいトレーニング期間を終え、国別対抗戦ATPカップ(ATP Cup 2021)と全豪オープンが間近に迫っている中で、過度なリスクを取りたくないと認めた上で、「だけどほぼ満員の観客席を見て、きょうはコートに出たいという感情が自分の中で強かった。プレーせずにはいられなかった。とにかく、プレーする必要があったんだ」と話した。(c)AFP