ファッションと時計の関係は、不即不離である。しかしトム フォードの時計には、時計としての完成度の高さと、装う楽しさの両方がある。

TOM FORD TIMEPIECES(トム フォード タイムピース)/N.001 クロームダイアル
エッジを丸めた優美なレクタングルケースは、時計デザインの定番であるアール・デコ様式を取り入れており、ケースもブレスレットも丁寧に磨き上げている。クオーツ。ステンレススティール。ケース縦44×横30㎜、3気圧防水。税別22万円(+ポリッシュド ブレスレット税別9万4000円)。

TOM FORD TIMEPIECES
ミラーのような風合いで輝くトム フォードの新作ウォッチ

ファッションブランドが時計を作ることは、珍しいことではない。しかし時計のクオリティを重視するのか、それともファッションとしてのトレンド感を大切にするのか、その塩梅が難しい。その点、トム フォードの考え方は理論的だ。

インデックスをすべて2桁表示するなどディテールには凝るものの、時計のケースはスタンダートに徹してラウンドとレクタングルのみを用意。その代わりに着脱式のストラップを50種以上も用意し、それこそ洋服を着替えるように時計を楽しめるようにした。キチンと時計でありつつ、ファッション的でもあるという、ちょうどいい塩梅なのだ。

上からメッシュレザーが税別5万円、ブラウンとブラックのアリゲーターストラップは各税別7万5000円、そしてホワイトのカーフストラップは税別2万8000円。

レクタングルケースは緩やかにカーブを描いているので、腕にも気持ちよくフィット。こういったディテールも、時計のレベルを高めるポイントに。

今年は極薄のメタルブレスレットがラインナップに加わることで、さらに時計を着替える楽しさに幅を加えたが、今度はメタルブレスレットと好相性の「クロームダイアル」モデルがその隊列に加わった。インデックスや針もクローム光沢仕上げになっており、光の反射や周囲の映り込みによって表情を変えるのが綺麗だ。

もちろん、モノトーン系のレザーストラップと組み合わせての相性もいいだろう。同系色でまとめるストイックな雰囲気は、トム フォードのファッションにも通じる世界観。いい色気が出ている。

TOM FORD TIMEPIECES(トム フォード タイムピース)/N.002 クロームダイアル
ラウンドケースは時針の先端が丸型になっており、シンプルなデザインにアクセントを加える。インデックスがクローム光沢仕上げなので、全体のトーンが綺麗にまとまる。クオーツ。ステンレススティール。ケース径38㎜、3気圧防水。税別22万円(+ポリッシュド ブレスレット税別9万4000円)。

文=篠田哲生 写真=近藤正一
(ENGINE 2021年1月号)