【1月28日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は27日、気候変動問題では米国が世界の対策を主導しなければならないと表明し、地球温暖化の抑制に向けた一連の大統領令に署名するとともに、4月に気候首脳会議(サミット)を開催すると表明した。

 バイデン氏はホワイトハウス(White House)で行った演説で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、国として統一した対応が必要であるのと同様、気候の危機に対しても、国として統一した対応がなんとしても必要だ。なぜなら、気候の危機は実在するからだ」と言明。気候変動問題担当大統領特使に任命したジョン・ケリー(John Kerry)氏に言及し、「われわれは世界の対応を主導しなければならない。ケリー氏が何度も指摘してきたように、米国だけで困難に立ち向かうことはできないからだ」と表明した。

 米国は4月22日に主催する気候サミットで、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」に基づく温室効果ガス削減の取り組みを強化する見通し。パリ協定では、気温の上昇幅を1.5度に抑えるとの目標値が定められている。

 バイデン氏が署名した大統領令にはこのほか、石油・ガス企業に対する国有地・公有地の新規リース権付与を一時停止し、気候変動対策を外交と国家安全保障の柱と定めるものも含まれている。

 バイデン氏は一方で、米国を世界最大の天然ガス生産国へと押し上げた水圧破砕法(フラッキング)は禁止しない意向を表明した。フラッキングは多くの有害な影響があるものの、政策専門家からは過渡期のエネルギー源とみなされている。(c)AFP