【1月28日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)にある西北大学(Northwest University)の研究チームが、人工知能(AI)などの新技術を駆使して「サルの顔認証技術」を開発した。秦嶺地区に生息するキンシコウ数千匹の識別に導入する。

「サルの顔認証技術」を開発した研究チームは、中国で初めて野生のキンシコウを体系的に研究したチームでもある。

 チームメンバーは「サルの顔認証技術」も人間と同様に顔の特徴に関する情報を抽出し、秦嶺地区に生息するキンシコウの個体ごとの識別情報データベースを構築してから、それらのスキャン、比較、識別を行うと説明した。

 メンバーの張河(Zhang He)氏は「サルの顔認証技術の精度が十分に高まれば、野外に設置された赤外線カメラに搭載し、システムが自動的にサルを認識して名前を付け、行動を収集できるようになる」と語った。

 同技術は現在、実験普及段階にあり、秦嶺地区のキンシコウ約200匹を識別できる。張氏は「1匹当たり700~800枚の画像サンプルを収集し、認証成功率は94%に達した」と述べた。

 人間の顔認証技術との違いは、キンシコウの顔の皮膚には毛で覆われた部分が多く、毛がある部分とない部分の差が明らかで、皮膚のきめの特徴がより複雑なので、識別システムのディープラーニング(深層学習)能力が一層求められる点にある。

 サルの顔認証技術の完成度が上がり、実用化されれば、研究者による秦嶺地区のキンシコウの研究サイクルが大幅に短縮される。

 キンシコウは貴重な中国の固有種で、絶滅危惧種に指定されている。サルの顔認証技術の開発は、科学者がキンシコウを深く理解し、より良い保護手段を見つけるのにも役立つ。(c)Xinhua News/AFPBB News