【1月26日 AFP】オーストリアは25日、公共交通機関や店舗、企業、薬局、病院などで従来の布マスクに代わり、医療用マスクFFP2の着用を義務化した。14歳以上が対象。

 政府の新型コロナ対策をめぐっては、学校が閉鎖されているにもかかわらずスキー場は営業を続けていることなどが物議を醸している。だが、FFP2の着用義務化については特に批判の声も上がらず、おおむね受け入れられている。

 エアロゾルを94%遮断するFFP2は、ほんの数週間前まで1枚5ユーロ(約630円)以上で販売されていたが、現在はすべての食料品店で1枚59セント(約74円)で売られている。また、高齢者や低所得者には先週、FFP2のパックが配布された。

 教師、倉庫作業員、公務員については、最低2メートルの対人距離が確保できない場合、勤務先で着用しなければならないとされている。また、妊娠中の女性や、マスクの着用で呼吸が難しくなる持病のある人は除外される。

 オーストリアの人口10万人当たりの1日の新規感染者数は現在約130人で、政府が目標とする最大50人を大きく上回っている。

 学校や美術館、スポーツ施設、映画館、生活に必須でない店舗は現在閉鎖されており、政府は国民に、人との接触を避け、可能な限り在宅勤務をするよう呼び掛けている。

 だが、屋外スポーツは認められており、スキー場のリフト待ちの行列やアイススケート場で飲み物を片手に集まる人々の写真に対し、怒りの声が上がっている。(c)AFP