■団結の呼びかけ

 当初は別々の登山隊に属していたメンバーが今回、新たなチームを結成し、ネパールの名誉を懸けて頂上を目指した。ネパール国歌を歌いながら登頂したという。

「これは決して個人の働きによるものではない」と断言するプルジャ氏。英軍でネパール人部隊グルカ(Gurkha)や特殊部隊に所属していた同氏は、「10人の同胞が、家族のように、兄弟のように結びつき、一人一人が本当に重要な役割を果たした」と述べた。

 プルジャ氏は2019年にわずか6か月で、世界に14座ある「8000メートル峰」の全てを制覇する世界最速記録を達成している。

「ここで伝えたいことがある。世界は今、危機を経験している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、それにもまして、地球温暖化だ」と続けた。

「大事なメッセージは、みんなが団結すればどんなことでも実現できるということ。だからこそ、われわれ10人は力を合わせてK2登頂を実現した」

 何千人という登山者が登頂したエベレストとは異なり、K2ははるかに困難で孤独な場所だ。

 パキスタン北部には世界の最高峰のいくつかが集まっている。そのうちのK2は、パキスタンが実効支配するギルギット・バルティスタン(Gilgit-Baltistan)地域と中国の境に位置する。同地域は、ヒマラヤ山脈の西側やヒンドゥークシュ(Hindu Kush)山脈、カラコルム山脈に囲まれ、世界50位までの高峰のうち18峰を擁する。

 映像前半はK2に登頂したチームメンバーら、セブン・サミット・トレックス(Seven Summit Treks)が16日撮影・提供。後半は下山後インタビューに応えるプルジャ氏ら。20日撮影。(c) AFP/Zain Zaman Janjua