【1月26日 AFP】イラクで25日、「テロリズム」の罪で有罪判決を受けた3人の絞首刑が執行された。治安筋が明らかにした。

 首都バグダッドでは21日、大勢の買い物客らでにぎわう市場で連続自爆攻撃があり、少なくとも32人が死亡。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。この自爆攻撃を受けて、当局が強い姿勢を示すため、相次いで死刑を執行するのではないかと懸念されていた。

 匿名の治安筋はAFPに対し、「対テロ法第4条に基づき有罪判決を受けた3人の死刑が25日、ナシリヤ(Nasiriyah)中央刑務所で執行された」と語った。

 24日にはイラク大統領府の当局者が匿名を条件に、「テロリズムあるいは犯罪行為」で有罪判決を受けた340人以上の死刑執行の準備が整っていて、さらに多くの死刑執行命令書に署名していると明らかにしていた。

 イラク大統領府の別の当局者は25日、これらの死刑執行命令書への署名は2014年以後に行われたもので、その大半はISがイラクの国土の3分の1を支配下に置いていた時期に当時のフアード・マスーム(Fuad Masum)大統領の下で署名されていたと語った。

 イラク政府は2017年12月にISに対する勝利を宣言したが、21日の自爆攻撃は、現在もISの脅威が続いていることを改めて浮き彫りにした。

 人権団体は、死刑執行が政治的な意図で利用されていると警告していた。(c)AFP