【1月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)は25日、フランク・ランパード(Frank Lampard)監督を解任した。後任には、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)の前監督であるトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)氏が有力視されている。

 現役時代にチェルシーのMFとしてプレーしたランパード氏は、就任1年目の2019-20シーズンに同クラブをリーグ4位、FAカップ(FA Cup 2019-20)準優勝に導いた。しかしながら、昨夏の移籍市場でクラブが2億2000万ポンド(約312億円)と報じられる大金を費やした後、大きくなった期待に応える結果を残すことはできなかった。

 チェルシーは直近のリーグ戦8試合で5敗を喫しており、首位マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)と勝ち点11差の9位に後退。24日に行われたFAカップ4回戦では、チャンピオンシップリーグ(2部)のルートン・タウン(Luton Town)を3-1で下したものの、同氏が続投するには不十分だった。

 ランパード氏は自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに、「チェルシーの指揮を執るのは、大きな特権であり名誉なことだった。このクラブは本当に長い間、自分の人生にとって大きな一部になっている」と投稿。「今季はクラブを前進させて次のレベルに導く時間がなかったのは残念だ」とつづり、成功に必要な時間を与えられなかったことを悔やんだ。

 一方のチェルシーは、チームの通算得点数で歴代1位に立ち、13年間所属した現役時代に計3度のリーグ優勝に加え、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇も経験したランパード氏とたもとを分かつのは「とても難しい決断」だったとした上で、「最近の成績とパフォーマンスはクラブの期待に沿うものではなく、リーグ戦では中位に低迷しており、長期的な改善の見通しが立っていない」と解任の理由を説明した。

 ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)会長も珍しくコメントを発表し、「これはクラブにとってとても難しい決断だった。とりわけ、フランクと私は個人的に最高の関係を築いてきており、彼に対してこの上ない敬意を持っている」と述べた。「彼は非常に高潔な人間で、仕事への向き合い方も最高だ。だが、現状では監督を交代することが最善だとわれわれは信じている」

 チェルシーは27日に行われるウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)戦に間に合うように、昨年12月にリーグ1王者PSGの指揮官を電撃解任されたトゥヘル氏の招聘(しょうへい)を目指している。(c)AFP/John WEAVER