【1月27日 東方新報】中国の文化観光部は、香港、マカオと広東省(Guangdong)を含めた「粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)」の文化・観光発展計画を1月上旬に発表し、2035年までに同地域で金融、経済分野のみならず、文化、観光分野での競争力も高め、中国南部の文化・観光産業の中心的な存在にしたいとしている。

 中国版グレーターベイエリアは2017年、中国政府と香港、マカオ、広東省の4者が中心となり、香港、マカオと、広東省の9都市(広州市<Guangzhou>、深セン市<Shenzhen>、佛山市<Foshan>、東莞市<Dongguan>、恵州市<Huizhou>、中山市<Zhongshan>、江門市<Jiangmen>、珠海市<Zhuhai>、肇慶市<Zhaoqing>)の経済一体化を推進する構想だ。実現すれば、面積は九州よりも大きい5万6000平方キロメートル、人口6800万人。GDP1兆3600億ドル(約141兆円)の地域になる。世界3大ベイエリア(サンフランシスコ、ニューヨーク、東京)に匹敵する規模で、中国経済成長の新たなけん引役として期待される。

 香港は現在、アジアの金融、貿易、物流の拠点として知られる。マカオは観光・文化・レジャーなどに強く、広東省は製造業、サービス業などが盛んだ。三者の役割はそれぞれ異なっているが、経済一体化を推進することによって、効率が良くなり、街としての魅力も高まる。

 また、同エリアには多くの港があり、一体化進めることによって、それぞれの港の役割が細分化される。その港群は、中国政府が推進する巨大経済圏構想、一帯一路の発展に伴い、南中国の海の玄関としての機能が期待されている。

 中国当局が今、グレーターベイエリアの一体化を推進するために、力を入れている項目として、インフラによる相互連結の推進、市場の一体化、イノベーションセンターの構築、質の高い生活圏の建設、国際協力における新たな優位性の育成などが挙げられている。

 しかし、グレーターベイエリア構想を推進する上で、クリアしなければならない問題もある。香港とマカオは中国本土と異なる一国二制度を採用しており、広東省と法律も条令も大きく違う。同エリアに進出する企業に対し共通の基準を設けるのに、法整備と条例改正をしなければならない。しかし、香港市民の中に、構想に反対する人もおり、その説得作業は簡単ではない。香港市政府は2020年末、構想の推進に向けた専門部署「粤港澳大湾区発展弁公室」を新設し、準備作業を本格的に開始した。(c)東方新報/AFPBB News