【1月25日 AFP】インドと中国が国境を争うヒマラヤ(Himalaya)地域で20日、両軍による新たな乱闘が発生し、双方に複数の負傷者が出た。軍当局筋が25日、明らかにした。

 ヒマラヤの係争地では半年前にも両軍による乱闘があり、インド軍の兵士少なくとも20人が死亡、中国軍側にも数は不明ながら複数の犠牲者が出ている。

 インド軍は、インド北部シッキム(Sikkim)州と中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)を結ぶナクラ(Naku La)峠で起きた小競り合いについて、「ちょっとしたにらみ合い」にすぎないとの見解を表明。短い声明で、すでに「現地の指揮官ら」が手順通りの対応をし、既に緊張は緩和されたと発表した。

 当局筋によると、中国軍の哨戒兵がインド側に侵入しようとしたため、中国側に追い返された。その際、インド軍の兵士4人と中国軍の哨戒兵1人が負傷した。ただ、中国側の負傷者の人数は不明という。

 軍当局筋がAFPに明かしたところによると、乱闘は先週、シッキム州のナクラで発生。メディアは印軍当局の話として、両軍に犠牲者が出たと報じている。

 シッキム州の国境地域では、昨年5月に乱闘騒ぎが起きて以降、インド・中国両軍の緊張が高まっている。6月には、印ラダック(Ladakh)地方のガルワン(Galwan)渓谷で素手や木棒による乱闘が発生した。

 中印間では1962年に国境紛争が発生。一連の衝突をめぐっても両国は互いを非難し合い、国境地域に展開する部隊を増強している。両軍司令官が緊張緩和に向けて協議を重ねているが、24日の話し合いでも双方に譲る姿勢は見られなかった。(c)AFP