【1月25日 AFP】23日の復帰戦に敗れた総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」の元2階級覇者コナー・マクレガー(Conor McGregor、アイルランド)が、試合後の会見で「傷心」を認めた。この敗戦で、マクレガーのUFCでの今後は不透明になっている。

 23日のダスティン・ポワリエ(Dustin Poirier、米国)戦は、事前の予想ではマクレガーが約1年ぶりのオクタゴンで勝利を飾るという見方が圧倒的に優勢だった。

 しかし、2014年に一度マクレガーに敗れているポワリエは、ローキックを多用してスタンディングが得意なマクレガーの足を止める作戦を使った。その後に右ストレートでマクレガーを倒すと、最後は頭部へパンチの連打を浴びせ、2回2分32秒でレフェリーが試合を止めた。

 松葉づえをつき、足を引きずりながら席についたUFCの看板選手マクレガーは、「受け入れがたい。天国と地獄があるのがこの競技だ」と話し、「正直に言って、今は自分の立ち位置が分からなくなっている」と続けた。

 さらに「言い訳はしない。ダスティンのパフォーマンスはすさまじかった。苦い薬だ」とコメントし、ふくらはぎが「アメフトのボール」のように腫れていると明かした。

 まさかの敗戦に、多くの総合格闘技ファンがマクレガーの今後に関する臆測をめぐらせている。UFC参戦を続けるかも疑問で、無敗のまま引退したライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov、ロシア)との再戦の可能性も消滅したとみられる。

 UFCのダナ・ホワイト(Dana White)代表は、今回の「UFC 257」のペイ・パー・ビュー(PPV)が歴代3位以内に入りそうだと話しており、人気のマクレガーはその全てに出場している。しかし今回の敗戦で、ボクシング界のフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)との異種格闘技戦などのドル箱カードに照準を変更する可能性もある。

 会見でのマクレガーは、パッキャオ戦に関する質問には答えず、まずは右脚の治療に専念したいと話した。「気持ちを切り替える。自分を奮い立たせて、また立ち上がる。下を向くことはない」 (c)AFP